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53年の洋食カウンターに幕。キッチン南海下北沢店、闘病のため休業へ

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53年の洋食カウンターに幕。キッチン南海下北沢店、闘病のため休業へ

2026.10.04

1973年(昭和48年)創業の老舗洋食店「キッチン南海」下北沢店が、2026年9月下旬から休業状態に入った。店主が病に倒れ闘病中のため再開は未定。南口商店街の一角、下北沢駅徒歩2分の路地に構えたカウンター5席の小さな店が、半世紀以上守ってきた味の灯を消した。カツカレー目当てに通い続けた常連たちは、復帰を願いながら「また来る日」を待っている。

1973年、暖簾分けで下北沢南口に生まれた洋食店

キッチン南海 下北沢店は1973年(昭和48年)に開店した。本家のキッチン南海は1960年に東京都千代田区飯田橋で創業し、のちに神保町に腰を据えた老舗洋食店だ。下北沢店はその暖簾分けとして生まれ、南口商店街の一角に根を下ろした。駅から徒歩2分、路地の奥に佇む小さな店は、半世紀以上変わらない洋食の味を下北沢で守り続けてきた。

カウンター5席、揚げたてのカツカレーが出迎える厨房

店内はカウンター席のみ5席という非常にこぢんまりとした構えだった。厨房とカウンターの距離はほぼゼロ——主人が目の前で油を温め、丁寧に揚げたカツを盛りつける様子がそのまま見える距離だ。看板メニューは「カレーライス」「オムライス」「カツカレー」。がっしりした揚げ衣のカツと、どっしりとした黒いカレーソースが組み合わさる一皿は、洋食の文法を忠実に守りながら、このカウンターでしか食べられない味だった。常連が昼休みに駆け込み、近所に引っ越してきた若い住人がはじめて下北沢の「うまいもの」に出会う場所でもあった。

店主の闘病により、秋に無期限の休業へ

2026年9月下旬、「キッチン南海」下北沢店は無期限の休業に入った。店主が病に倒れて療養中のため、現時点で再開の見通しは立っていない。「再起を願う」声は地域コミュニティのSNSや口コミサイトにあふれており、長年の常連からは「いつか戻ってほしい」「南口でしか食べられないカツカレーだった」という投稿が続いている。

南口商店街に53年残したもの

下北沢の南口商店街は、再開発が進む北口エリアとは異なる、昔ながらの商店が混在する路地だ。小さな飲食店や個人商店が肩を寄せ合うこのエリアで、キッチン南海は1973年から半世紀以上にわたり「定食屋」として街のリズムに溶け込んでいた。チェーン化した飲食店が増えるなかで、個人店主がカウンター越しに一皿ずつ仕上げる洋食文化の担い手でもあった。再開を望む声が後を絶たないことは、その店が単なる飲食スポット以上の存在として街に刻まれていた証だろう。

キッチン南海 下北沢店 / 東京都世田谷区北沢2丁目(下北沢南口商店街)/ 下北沢駅徒歩約2分 / 現在無期限休業中(再開時期未定)

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